【本当は教えたくない】バイクのエンジンがかからない時の原因3選

バイクのエンジンがかからなくて困った経験はありませんか?

バイク乗りならほとんどの人が経験のある『故障』

実はバイクは車よりも耐久性が低いんです。(もちろん車種や使用状況にもよりますので一般的にです)

理由①「振動が強い」

乗れば分かりますが車と比べると段違いで振動を感じるのがバイクです。その鼓動感がおもしろさの1つでもありますがある程度の距離数や年数を乗ると振動による歪みや摩耗が故障の原因となります。

理由②「車体の大きさに対して人間の体重の負荷が大きい」

バイクは人間の大きさに対して車体の大きさとエンジンの大きさが小さいです。特に原付のバイクに成人男性が乗った時の負荷は相当なものがあります。よくお客様とお話している時にするたとえ話で「小学生に大人がおんぶしてもらうようなもの」というと納得の表情をいただきます。

理由は他にもありますが、つまりバイクに故障はつきものなんです。

さて、壊れたバイクは直せば良いのです。しかし、一言に壊れたといっても「どこが?」「なにが?」と原因を究明することが重要です。

この記事に辿り着いたあなたも「バイクのエンジンがかからない」「バイク故障」などで検索してきたのではないでしょうか?

そこで今回はバイク屋の整備士が実際に行っている

「エンジンがかからない時の、まずは実施したい点検」

をご紹介します。

 

バイクのエンジンは3つのポイントで必ず始動します!

最初からはっきり言わせてもらいます!

これからお話する3つのポイントが整っていれば必ずエンジンはかかります!

逆を言うとエンジンがかからない時は3つのポイントの内、1つ以上が欠けてしまっています。

  1. ★絶対に必要な3つのポイント★

その①【良い燃料】

まずはガソリンです。ガソリンが無いと走らない♪

ガソリンが原因で故障する代表例

●ガソリンが古い

ガソリンは年数により腐敗します。腐敗したガソリンを使うとエンジンのかかりが悪くなったりとデメリットがたくさんあります。経験上1年程のガソリンでしたら使用上問題ないと思います。ただし、年式の古いキャブレタ車にはなるべく新鮮なガソリンを使用してください。

●水が混入してしまってる

水はガソリンより比重が重いです。つまりガソリンタンクの底に水が溜まります。基本的にガソリンはタンクの下の方から吸い取りエンジンに運びます。つまり一度水が混入すると高確率で吸われてしまいます。水ではエンジンがかからないことは容易に想像できると思います。バイクの多くはタンクキャップが雨に当たる位置にあります。タンクキャップのパッキンが劣化して雨の侵入を許してしまうのです。タンク内に水が入ってることを確認したらどこから侵入しているかまで必ず確認しましょう。

 

●軽油などガソリンじゃないものを入れている

たまーーにいらっしゃいます。軽油のほうが安いですからね。

●そもそもガソリンが入っていない(一般的なガス欠)

当たり前でしょ!と思うでしょうがガソリンメーターの故障でいつまでもガソリンが入っているように表示されてしまう事例もあります。自分が乗っている乗り物の大体の燃費とタンク容量を頭にいれておき、明らかに減り方がおかしい場合はすぐに確認したほうが良いですね。

●燃料供給機に詰まりや異常がある(キャブレタ・インジェクタ等)

ガソリンタンク→供給機→エンジンといった流れでガソリンは運ばれていきます。特に故障が多いのが古い方式のキャブレタ車です。放置したガソリンが腐敗してキャブレタを詰まらせ、ガソリンが流れていかなくなってしまうことが多々あります。半年もバイクを乗っていなければ大体のキャブレタは詰まると思います。

ガソリンが入っていないことも『ガス欠』ですが、良いガソリンがエンジンまで届かないことも『ガス欠』です。

つまりは満タンにガソリンが入っていようとエンジンまで届かなければ意味が無いのです!

 

「それじゃあエンジンまでガソリンが運ばれてるか確認するにはどうしたら良いの?」

【これが本当は教えたくないポイント!】

  • 手順①
    まずはスパークプラグをエンジンから外します。
  • 手順②
    スパークプラグを外したエンジン側に穴(プラグホール)が開いてます。プラグホールにCRC556をシューっと2秒くらい吹き込みます。
  • 手順③
    逆の手順でスパークプラグをエンジンに取り付け戻します。
  • 手順④
    エンジンを始動してみて一瞬でもブルンとエンジンがかかるか確認する。ブルンとかかった後に、続けてエンジンがかからない場合はガソリンが流れていません。

CRC556等の起爆剤を直接エンジンに入れて爆発が起こるかの確認の仕方です。

爆発が起こるということはCRC556が燃えているという証拠なので、ガソリンが流れればエンジンがかかると思ってよいでしょう。

その②【良い火花】

火花?と思った方も多いかと思います。

前述したとおり、エンジンはガソリンの爆発で動いています。

運ばれてきたガソリンを爆発させるためには火を点ける『点火』を行わなければなりません。

この点火の役目を担っているのがスパークプラグです。

スパークプラグに電気を流して火花を発生させます。

スタンガンのビリビリをイメージしてもらうと分かりやすいと思います。

スパークプラグに適正な良い火花が発生しないとガソリンは爆発してくれず、エンジンはかかりません。

 

火花が出ない故障の代表例

●スパークプラグの劣化

スパークプラグは消耗品です。たとえエンジンがかかっていても減っているスパークプラグを使い続けると燃費が悪くなったりエンジンにも間接的に悪影響を及ぼします。

●イグニッションコイルの不良

スパークプラグに電気を流す役目の部品です。電気が流れなくてはスパークプラグも機能しません。

●キルスイッチがONになっていない

結構アルアルな事例です。ハンドル右側に赤色のボタンがあります。これがキルスイッチです。緊急停止ボタンなんて言われ方もしますが転倒の際に2次被害(火災等)を防ぐ為のボタンで点火系統をシャットダウンします。転倒がつきものの2輪特有のシステムです。何かの拍子にキルスイッチがOFFになってしまうとエンジンはかかりません。

●キーがONになっていない

当たり前でしょ!と思いますが電気は点いているのにONになっていない事例があります。これは振動によりキーシリンダーの内部が摩耗して、ONにしているのに鍵が機能している瞬間と機能していない瞬間が存在してしまう現象で「気分によってかかったりかからなかったりする」なんて話をされる方は高確率でキーシリンダーが故障してるケースが多いです。

●CDI/ECUコンピュータの故障

バイクにも脳ミソとなるコンピュータが使用されています。コンピュータが点火の指示を出しているので脳ミソが故障すると点火しなくなります。

 

その他にも点火不良の事例はたくさんあります。

本記事の故障の3ポイントの中でこの『良い火花』が原因の故障は作業が難航することが多いです。

まずは簡単な部分から点検していきますが見落としや固定概念(これは違うはず等)があると迷宮入りします。

ポイントは落ち着いて1つ1つ点検することです。

 

上記はあくまで1例ですので参考程度にしてください!

 

「それじゃあ火花が出てるか確認するにはどうしたら良いの?」

 

【これが本当は教えたくないポイント!】

手順①

スパークプラグをエンジンから外します。

手順②

外したスパークプラグをプラグキャップに取り付けます。

手順③

スパークプラグの先端をエンジンの鉄の部分に優しく触れさせます。(プライヤー等の絶縁処理されたものでスパークプラグを持ちましょう)

手順④

エンジンをかけます。スパークプラグを外してるのでエンジンはかかりませんがセルボタンやキックで始動する動作を行ってください。

手順⑤

目視にてスパークプラグに火花が出ているか確認する。

※注意!

上記の方法を試す際は自己責任にて行ってください。スパークプラグを素手で持ちながら始動すると電流が手に伝わり感電します。スパークプラグから火花が出ているか確認するときはエンジン回りや近くに可燃性の物がないようにしましょう。

 

その③【良い圧縮】

圧縮と言われてもピンとこないですよね。。

圧力鍋や布団圧縮袋は割と身近な「圧縮」を使った製品ですね。

まずは圧縮の説明を少ししてみます。今回は「針の付いていない注射器」を例に説明します。

 

注射器のポンプを引いて押し込むと出口から空気が噴出するはずです。注射器に水を入れれば水鉄砲みたいになりますよね。

それでは注射器の出口を指で塞いでみましょう。ポンプを押しても固くて戻されてしまうと思います。

これは注射器内で圧力が発生している状態です。この圧力がエンジンの内部で起こっている状態を【圧縮】と呼びます。

圧縮が原因の故障はほぼ100%エンジンの内部、特に燃焼室での不具合です。

密閉性がなくなり圧力が加わらない状態になると良い圧縮は生まれません。

 

それでは圧力が発生しなくなる原因を考えていきましょう。

●エンジンオイルを適正に交換しない(1番重要)

密閉性が失われる原因はエンジン内部の摩耗です。エンジンは鉄と鉄の擦り合わせで動いています。その鉄と鉄の間をオイルで潤滑させて摩擦による摩耗を減らしているのです。エンジンオイルをこまめに交換しなかったり安価なエンジンオイルを使用すると摩耗が進み気密性が失われて圧縮不足に陥ります。

●常に全開フルスロットルで運転する

エンジンが悲鳴をあげています。エンジンオイルにも限界があります。常に全開で運転すると油膜が切れて守れるものが守れなくなってしまいます。

●スパークプラグやエアクリーナ等の消耗品を交換しない

スパークプラグやエアクリーナの状態が悪いまま走行しているとエンジンの中に燃えカス(カーボン)が溜まりやすくなります。この燃えカスが邪魔をして密閉性が失われます。

つまり圧縮不足の原因はエンジンの雑な扱い方なんです。

「メンテナンスしないとバイクの寿命を縮めるよ」「荒い運転をしてるとバイクがかわいそうだよ」

なんて話をするときがありますが、前述のように雑に扱うとエンジンの内部が摩耗してしまうのです。

圧縮を回復させるために様々なケミカル(お薬のようなもの)が発売されていますが、根本的な解決はエンジンの分解修理しかありません。

エンジンは壊れてから悩むより壊れるのを遅らせるように労わることが重要です。そして後者のほうが結局安価に済みます。

 

「それじゃあどうやって圧縮の確認をするの?」

【これが本当は教えたくないポイント!】

手順①

スパークプラグを外す

手順②

プレッシャゲージ(圧力を計る工具)をプラグホールに接続する。

手順③

セルボタンを押して数値が規定値内に収まっているか見る

 

【裏技】

プレッシャゲージなんて工具は一般のご家庭にはまず置いてないです。

そこでエンジンがかかるだけの圧力があるかどうかを調べるのに工具を使わない方法は

プラグホールを指で押さえて圧力を感じるです。(オススメしませんよ!工具で図るほうが良いんですからね!自己責任でやってください(笑))

指で押さえきれるレベルの圧力だとエンジンはかかりません。(個人差ありますので目安にしてください)

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

そして気づきましたか?

3つのポイントを確認するには

まずスパークプラグを外すのです!

スパークプラグを外すことが出来れば前述の方法でどのポイントが足りていないか確認することができます。

 

足りてないポイントが分かれば次は「なんで足りてないの?」の段階に進みます。

ここから修理に入っていくわけですね。

あくまで3つのポイントを確認することは最低限の初期判断です。

しかし、この初期判断をすることが1番の近道だと思ってます。

3つのうち1つに絞ってからさらに原因を探る。まずは3分の1を見極めなければ余計な時間を浪費します。

初期判断といえ侮るべからず!

 

当店での修理作業について

「エンジンがかからないから診てくれない?」

というお問い合わせを大変たくさん頂きます。有難うございます。

当店では『初期判断+どこが原因』までを

5,000円(税抜き)

で実施しています。

ただし、大体の事例はこの値段で収まりますが作業をしながら別途加算する場合もございます。

その際は担当者から進捗状況と一緒に相談がありますのでご安心ください。

それから、5,000円で見れない状況のバイクは現車確認後に判断させてもらった上で事前にお知らせいたしますのでご了承ください。

とりあえず診るのに最低でも5,000円はかかるんだなと理解して頂けますと幸いです。

 

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